熱力学の解答付き演習

三角形サイクル

演習 20 · レッスン 5 — 理想気体への応用

  • 動力サイクル
  • クラペイロン線図
  • サイクルの面積
  • 熱力学第一法則
  • 効率

問題

一定のモル熱容量 をもつ理想気体 モルが,準静的サイクル を行う:

は等積過程, は 平面上の線分, は等圧過程である。

動力サイクルの効率を

と定義する。ここで は,サイクル中に気体が受け取る の熱移動の総和である。

  1. サイクルをクラペイロン線図上に描き,進行方向を示せ。 これは動力サイクルか冷凍サイクルか。
  2. と を結ぶ直線の方程式 を求めよ。
  3. とおき,温度 ,, を求めよ。 この過程が等温過程ではないにもかかわらず, がゼロなのはなぜか。
  4. 三つの各過程およびサイクル全体について,気体が受け取る仕事を求めよ。 全仕事の絶対値を三角形の面積からも求めよ。
  5. 各過程の と を ,, のみを用いて求め, と を確かめよ。
  6. および とおく。 の途中で の符号が変化することを示せ。そこから ,次いで このサイクルの効率 を求めよ。 である 単原子理想気体について,その値を求めよ。

ヒント

ヒント
では, と を通るという条件を課して を求める。 内部エネルギー変化を計算するには,各過程の両端の温度だけが必要である。 問6では,微分形の熱力学第一法則を用いる。

詳しい解答

解答
問1–2。 サイクルは時計回りに進み, 動力サイクルである。直線 の方程式は

クラペイロン線図における三角形サイクル A B C A。
図 1. クラペイロン線図における三角形サイクル 。

問3。 状態方程式より

に沿って温度は変化するが,両端では同じ値に戻る。 一定量の理想気体の内部エネルギーは温度のみに依存するので, である。

問4。 気体が受け取る仕事は

したがって,

符号は負であり,気体はサイクル中に仕事を外部へ与える。 その絶対値は,底辺 ,高さ の三角形の面積に等しく, 直角三角形の面積の公式 からも確認できる。

問5。 なので,

三つの過程について和をとると,

問6。 および とおく。過程 では, および である。熱力学第一法則より

この微小熱量は

でゼロになる。 のとき である。気体は から横座標 の点まで 熱を受け取り,その後 までは熱を放出する。また, で の熱を受け取る。したがって,

よって効率は

単原子理想気体では なので,